1970年代クラシック×フェミニンのムードを盛り込んだBeirutの春・夏コレクション

1970年代クラシック×フェミニンのムードを盛り込んだBeirutの春・夏コレクション

ABOUT BEIRUT

2021年の春・夏コレクションよりデビューを果たした『Beirut(ベイルート)』は、私たちが生活していく都市の青い夜から冷たい夜明けまでの感性を、デイリーウェアに表現されたブランドです。 ゆったりとしたシルエットで落ち着いた着心地が魅力的なBeirutは、同時にモダンでベーシックなデザインを盛り込んだアイテムを中心に作り出されたコレクションを通じて、トレンドに敏感な20−30代の女性にいつでもどこでも快適に着用できるブランド特有のアイデンティティを提供しています。

また、パンデミック事態による制限の終わりが見える現在、Beirutのディレクターたちは世界各地を旅しながら多彩な色感にインスピレーションを受け、Beirutのアイデンティティをさらに確かなものにしていきたいと言います。 彼らはこれからも日常の一瞬間を捉え、年月が経っても色あせないコレクションを見せたいと話しています。 今すぐ、Beirutの2022年春・夏コレクションを、d.codeを通じて体験してみてください。

BEIRUT : SPRING/SUMMER, 2022"SORORITY GIRL”

− Beirutの2022年春・夏コレクションは、"SORORITY GIRL”がコンセプト。 1960年代と1970年代に結成された女性社交クラブのクラシックでフェミニンな特有のムードが、Beirutが追求する快適な着心地のデイリーウェアに含まれています。

また、今シーズンのルックブックでも、Beirutのコンセプトが十分に表現されています。 イヴ・サンローランのミューズでありファッションアイコンだったカトリーヌ・ドヌーブの若い頃からインスピレーションを受けたりもしました。今シーズンのスタイリングを通じて彼女のもの懐かしさが感じられるようにと、撮影場所も社交クラブの会員たちが集まったような場所を選び、自分たちが考えるコンセプトを十分に表現しようと努力しました。

特にハーフスリーブが特徴のカーディガンとBeirutのロゴが刺繍されたTシャツは、Beirutが追求している快適な着心地のデイリーウェアと2022年春・夏シーズンのコンセプトが完璧にマッチしたアイテムで、今シーズン最も頻繁に着用されるアイテムになってくれるでしょう。

 

A Conversation with BEIRUT 

Beirutという単語でブランドネームをつけた理由は何ですか。

− ブランドネームでは色々な候補がありました。 その中で最もエキゾチックで洗練されたムードを与えるのがBeirutでした。 レバノンの首都を思い浮かべるかもしれませんが、実は米国のインディーズバンドであるBeirutが好きだったのが、一番大きな影響です。 偶然、友達におすすめされたBeirutのNantesという曲にハマっていた時期があるんです。 ジプシー民謡を基盤にした独特な雰囲気の音楽をしているバンドですが、皆さんもぜひ聴いてみてください。 どこか神秘的な雰囲気を感じることができますよ。

Beirutが誕生したきっかけが知りたいです。

− Beirutは2021年春・夏シーズンからデビューを果たしたブランドです。 計3人のデザイナーが一緒に展開していて、そのうち2人は双子の兄弟です。 もう1人は同じ大学に通っていた友達です。 それぞれ生産とマーチャンダイジング、そしてブランディング分野で活動し、お互い性格が違いましたが、同じ趣向を共有していたので、一緒にブランドを作ってみようという意見に同意しました。 突然の提案と突然の決定でしたが、長い間お互いの作品を共有して多くの話を交わしてきたので、その後のことは本当に早く進められました。 まさに、一瀉千里でした。 幸いにも多様なポジションで活動していたメンバーが集まったので、ブランドを展開する過程で周辺の多くの助けを受けることができました。 彼らのおかげで、短い準備期間でも無事に終えることができました。

「青い夜から冷たい夜明けまで」をキャッチフレーズにした理由が気になります。

− 私たちが作った衣服が、『ある誰かの一日と一緒だったらいいな』という気持ちで決めたキャッチフレーズです。ブランドお披露目を準備しながら迎えた、数多い感情の一つでした。私たちの衣服を購入してくれた顧客が、Beirutと一緒に一日を送ってくれたら嬉しいという思いから決めました。本当に純粋な感情でした。そのために、私たちもこのキャッチフレーズをいまだに愛着を持っています。このキャッチフレーズのおかげで、いつも初心を取り戻すことができ、ときめきという感情をまた持たせてくれるんです。

 

2回目の春・夏シーズンを行いながら感じた違いはありますか。

– 最初のシーズンには全身全霊を注ぐよりは、私たちができることにさらに集中しようと決めていました。 これは、過度な欲がミスを呼び起こすこともありうるという考えでした。 それによる不安を受け入れたくなかったのです。 ただ私たちが望んでいたことをするという幸せで楽しい感情で作業に臨み、幸い多くの方々に関心とフィードバックを受けました。 そして2回目の春・夏シーズンには、その時に受けたフィードバックを積極的に反映しようと努力し、Beirutというブランドのイメージをどのように固めていくかに対する悩みも一緒に盛り込みました。

 

各シーズンで最も重点を置くポイントは何ですか?

− 春・夏シーズンには、軽くて通気性の良い生地を中心に制作します。 特に夏は洗濯を頻繁にしなければならないので、もっと気を使うしかないですよね。 秋・冬シーズンは春・夏シーズンとは違い、保温性とレイヤードをしたときに着心地に気を遣います。 重量感のある生地を使用するため、インナーウェアによって歪むフィットを補うためにパターンを完璧に組むことに重点を置きます。 そして、2シーズン共通のポイントは、毎日自然に手が届く心地良さです。

今シーズンのコンセプトで盛り込もうとしたものは何ですか?

− 今シーズンを準備しながら、多様なリファレンスからインスピレーションを得たと思います。 特にカトリーヌ・ドヌーブが映画界でデビューした時代の写真と、米国の主婦たちをターゲットにした1950年代のカラフルな広告チラシ、そして1990年代の米国東部少女を題材にした映画からインスピレーションを受けました。 背景も異なり時代も違いますが、全体的なムードが似ていて、これを中心にペルソナを作る作業を進めました。 これを通じてポジティブと自分の感情を示す努力は、私たちが生きて行く現代に必ず必要なことだと感じました。

コレクションを構想する際にインスピレーションを受けるデザイナーまたはアーティストがいますか。

− 毎シーズン多様な企画案が出てくるので、インスピレーションもまた多様なところで得られます。 今シーズンはポップアーティストのウェイン・ティボーの甘い色合いと、国内アーティストのクァヤとキム・ジユン作家の作品に盛り込まれた多様な色合いから多くのインスピレーションを受けました。 特にBeirutロゴTシャツのルビーカラーは、キム・ジユン作家のピクニックバッグに使われた強烈なレッドカラーから影響を受けました。 そしてファッションデザイナーの中ではAMIを展開しているアレクサンドル・マティウシュを選びたいですね。 彼がAMIの初期を通じて見せてくれたピースはまだ取り出して着ます。 どんな服にも自然に似合って楽な着用感がお気に入りです。 私が持っているピースはメンズウェアなので、Beirutの全体的なデザインには大きな影響を与えませんが、素材が与える質感と自然なシルエットの研究に大いに役立ちました。

コレクションを製作する過程で絶対に妥協できない部分があるのか知りたいです。

− Beirutならではのヘリテージを制作することと、快適な着心地、そしてディテールだと思います。 Beirutは世の中になかった何かを作るところではありません。 しかし、多くの話が込められてヘリテージを制作したアイテムを選定し、私たちだけのもので新たに創造するブランドです。 そして着心地についてもとても気を遣っています。 着た時に不便な素材や副資材を最大限使わないように努力し、パターンだけで楽な着心地を与えるための作業に多くの時間を割いています。 最後にディテールについては、ファスナーとボタン、裏地に気を配っています。 些細な部分に細かいことを盛り込むことが大切だと思うんですよ。

素材を選ぶBeirutならではの基準はありますか。

− 素材を選択するときに、いつも実用性があるかを常に自問自答しています。そしてこれに合う素材を選択します。視覚的には見事な素材でも管理が厳しいなら、選ばないことが Beirutのルールでもあります。なぜなら、忙しい日常の生活を送る現代人に、管理が難しい服を着るのはそれほど喜ばしくないことだと考えるためです。また、特別な加工やディテールが加わった素材を使用しようとも努力しています。特にBeirutで最もたくさんの愛を受けているアイテムの一つであるロゴTシャツの場合には誰でも慣れ親しんだアイテムだからこそ、加工過程で柔軟剤を添加して着用感やタッチ感で差別化を与えようと努力しました。

Beirutの生産過程はどのように行われていますか。

– 前述したように素材を選ぶにあたっては、ややこしいルールが存在します。 しかし、この過程を通じて選別された素材だとしても、生産過程で決めていたシルエットが表現できなかったり、他のアイテムとのバランスが取れないという結果が出たら、悩まずに発売しない決定を下します。 そしてBeirutをローンチングする前から歩調を合わせてきた職人と一緒に協業し、完璧な結果を作るためにお互いに多くの意見を交わします。 Beirutを思っての前向きな結論は積極的に受け入れようと努めています。

最後に生産に困難があったり単価が高くなる場合には妥協をしたり解決されなければ、 大胆に放棄する考えです。 納期が遅れたり出庫が進んだ時に不良が発見されるのは、顧客との信頼を崩すことになるため、単価が高くなれば顧客に負担を与えると思うんですよ。 ブランドが発展できるのはブランドを愛してくれる顧客だと思うので、この部分に対するこだわりは折れないですね。

世界各地を旅しながら多彩な色味を表現するBeirutが、今一番旅へ出たい場所はどこですか。

− フランスのコート・ダジュールの海辺と、ニューヨークのイーストハンプトン町へ今一番行きたいです。ゆったりとした雰囲気と毎年夏にここを訪れる観光客の自然で心地よさそうなファッションが好きなんです。いつかメンバーたちとここで長い間休暇を楽しみながら、1960年代と1970年代のジェット族が好んで着ていた服と現代のリゾートルックが自然にあわさったBeirutの新たなルックについて話し合ってみたいですね。遠くない未来に、ここでの経験で作られたコレクションを皆さんへ披露できる日を願っています。

 

Source:Beirut

 

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